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青森県民が味噌汁代わりにカップラーメン食うだって……!?

toyokeizai.net

 

青森県民 (正確には青森市民) が日本一インスタント麺食ってて、8年連続1位だというお話。

 

記事の中では

  • 少ない人でも週4日。多いと1年365日欠かさず食べるという強者もいた
  • 青森の働くお父さんたちの間では、カップ麺を味噌汁代わりにお弁当と一緒に食べるスタイルがかなり定番になっているようだ

というような話が書かれていますが、正直に申し上げて、青森生まれ青森育ち、イタコの婆さんはだいたい友達の僕としては「???」というまったく実感のわかない話でした。

実はウチの実家以外ではみんなガンガンカップラーメン食ってるのかもしれませんが、少なくともウチに限っては、僕を含め誰も週4カップラーメン食うやつなんていなかったですよ。

僕が実家にいたころは、袋麺いちばん食ってるのはオヤジだったと思いますが、それでも週2とかだったと思います。

二つ目の、味噌汁代わりに弁当と一緒に食うなんて言うのは、ウチのオヤジですらやってなかったし、聞いたことも見たこともありません。

 

記事では、インスタント麺をよく食べる理由について、「冬は雪のために買い物に出るのが大変なので、その時のために買い置きしてある」みたいなことが書いてあります。

確かに吹雪の日は買い物出るのはなかなか億劫です。そのため、特に冬場は、3~4日分くらいの食料を買い置きしておくっていうのは、確かにやってる。

ただ、生鮮食品の保存が難しかった明治昭和の話じゃなくて、今、平成っすよ!3~4日分の食材、別に冷蔵庫で普通にもつし、インスタント麺ばっか買うわけないじゃん!

 

あと「雪が降りしきるような冬の厳しい寒さの中で外に出られない時」って、これ完全にイメージだけで言ってると思う。出るの億劫だなーっていう吹雪の日はあるけど、「出られない」レベルのなんてほとんどありませんよ。

青森は公共交通機関が全く発達していないので完全に車社会、一家に一台どころか一人一台あたりまえ。通勤だって9割方の人が自家用車って世界ですよ。吹雪いたら除雪車出るし、関東と違って雪道の運転はみんな当たり前にできます。冷蔵庫の食材が足りなくなったら、普通に車で買い物に出ますって!

 

ただまあ、「もともと、塩分の強い保存食を好む土地柄がある。」というのはその通りだと思います。それは昔からの名残として、確かにある。漬物とか各家庭でばあさんが漬けるのとかデフォルトだと思うし、漬物モリモリ食う。

 

「青森にはB級グルメを生み出す土壌と、それを愛し、育む気質が根付いている。それがインスタントラーメン好きにもつながっている。」

 

というのは、外野から見るとB級グルメが目立って見えるというだけの話で、それって単に「話題作り」でやってるだけですからね。

青森県は魚介類の消費も全国トップクラスなんですが、地産地消だからか、いい魚が安く売ってるんですよ。魚に関して言えば関東の平均レベルよりだいぶうまいもん食ってます。あと野菜。ウチの実家もそうですけど、農家じゃなくてもけっこう自分ち用の畑もってて、自家栽培の野菜食ってるし、売ってるのも安いです。あと野山ばっかりだから、山菜がめちゃ採れる。タラの芽とか関東ではわりかし高級食材だし天然もののタラの芽の天ぷらなんてそこそこ高いお店に行かないと食べられませんが、青森では普通に家の裏の山でおとっつぁんが採ってきて、家でてんぷらにしてモリモリ食っています。

というわけで、B級グルメっつうとなんかジャンクな感じありますが、地味に青森県民は魚も野菜も素材レベルの高いもん食ってます。

ただ、いまさらそれをウリにしてもPRになんねえから、B級グルメっていうことで話題作りしてるんですよ。「十和田のバラ焼き」なんて、ここ最近急に言い出してるだけですからね。今でこそ県内の飲食店でも出すとこ増えましたが、僕が地元にいた頃はバラ焼きなんて全然有名でもソウルフードでもありませんでした。(ところで青森県民のソウルフードはねぶた漬けだと思う)

 

バラ焼き - Wikipedia

 

↑にあるように、元々は我々の爺さん世代がちょっと食ってたというだけで、長らく廃れてたのを、地域振興センターが、なんか町おこしの材料ないかっていうので無理やりリバイバルさせたものでして、正直我々世代にはまったく馴染みがないものです。(こないだ帰省した時に初めて食べたよ。)

ちなみに爺さん世代でも別段広く食べられていたものではなく、三沢の市場なんかに買いつけにきたおっさんとかが、帰りに君乃家食堂さんというとこで一杯ひっかけるときによく頼んでいた、というレベルなんだと聞いています。

 

というわけで、B級グルメを生み出す土壌と、それを愛し、育む気質は、別に全く根づいていないと思います。県外にアピールできるものが恐山と弘前城の桜くらいしかなくて観光客来ないから、必死でひねり出してるだけなんだよ!

 

ではなぜ消費量が多いのか?

 

 以上のように、青森生まれ青森育ち、知らない奴はだいたい知らないの感覚として、それほどは食ってねえよ?ということを述べたわけですが、さりとて統計データとしては確かに消費量が一番多いということになっている。それは何故か。

 

元の記事では、日本一食べてるという論調ですが、データの出典を見ますと、「主要都市別インスタントラーメン購入量(1世帯当たり年間)」となっています。1世帯あたり購入量、はいここ注目です。

あくまで買った量でして、それを実際に食ったかどうかではない。

 

記事の最後の方に、「青森の母たちは、故郷を忘れないようにご当地インスタント麺を仕送りする事が多いのだという」と書いてありますが、ハイこれ。これですよ。

つまり、全国平均に比べて約1.3倍多い購入量、この約3割は、県外に住む子供や家族へ仕送りしている分だったんですよ!!

 

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これを裏付ける自説としまして、「青森県民だいたい実家からバゴーン送ってもらってる説」を唱えさせていただきたいと思います。

バゴーンてなにそれ?という方が多いと思いますが、バゴーンとは、東洋水産 (マルちゃん) が東北および信州地方で限定販売しているカップ焼きそばです。

 

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やきそば弁当 - Wikipedia

 

Wikipedia にもあるように、北海道ではわかめスープが中華スープになって、やきそば弁当という別ブランドで販売されています。

青森県民にとってはカップ焼きそばと言えばぺヤングではなくバゴーンなのであり、「BAGOOON!!」と叫ぶ柳沢信吾ちゃんのCMなのであります。

社会人等になって県外に出た県民がまず驚愕するのが、バゴーンが売ってないという事実であるとされています。(※当社調べ)

 

そして、「な、なぜ関東のカップ焼きそばにはわかめスープがついていないのだ…湯切りの湯で作るわかめスープがないなんて、侘しすぎる……!!」と軽いホームシックにかかった青森県民の9割は、実家にバゴーンの仕送りを要求すると言われています。(※当社調べ)

 

というわけで、青森県民はインスタント麺いっぱい買うけど、そのうちの数割は、県外にいる家族へ仕送りするバゴーンである、というのが事の真相なのではないかと、こう考える次第であります!! おれもさっそく久々にオカンにバゴーン送ってもらお!!

 

ただし、昔からの名残で漬物とか干物とかしょっぱいもんたべて、やたらと酒飲んで煙草もバカスカ吸うのは確かに青森県民(東北人)の習性だと思うので、脳卒中にはくれぐれも気を付けてほしいものだと思います。

Web東奥・連載[Dr.中路が語る県民の健康] 20120521

 

へば、まだな。(※それではまた、の意)